尾道でトイレサインの写真展を開催しました

6/24~7/9まで、広島県尾道市三軒家アパートメントでトイレサインの写真展を開催していました。

f:id:mariedesu:20170711101457j:plain

三軒家アパートメントのギャラリーでの展示風景

尾道で展示をすることになった経緯

前回のブログエントリーで、昨年東京で展示を行い、その様子がクーリエ・ジャポンの記事になったことについて触れましたが、尾道に住んでいる友人がその記事を読んで「今度は尾道で展示をやりませんか」と声をかけてくれたことから尾道での展示が実現しました。

その友人こと牧原さんとは、5年ほど前にバンクーバーで行われた、鈴木昭男さん、吉増剛造さん、大友良英さんのライブイベントで知り合いました。日本人アーティストのイベントではありましたが、観客として来ていた日本人が牧原さんと私たち(私、夫、友人の高橋君)しかいなかったこともあり、終演後にいろいろとお話をしてすぐに意気投合し、それから仲良くさせていただいています。

当時、牧原さんはアメリカのシアトルに住んでいて、その頃バンクーバーに住んでいた私たちと、お互い訪問し合ったり、シアトルのマイクロブリュワリーを巡ったり、一緒にボランティア活動として北米でProject Fukushima!ドキュメンタリーの上映会を開催したりしました。

その後、牧原さんは尾道に移住され、今は尾道の空き家再生プロジェクトが運営しているゲストハウス「みはらし亭」でマスターをしながら、尾道で「大音無形」と題した音楽イベントなどを企画されています。4月には尾道ペーター・ブロッツマンとポール・ニルセン・ラブを呼んでお寺の本堂で即興演奏のジャズライブを開催されました。今回の展示は、「大音無形」の番外編イベントとして牧原さんに企画していただきました。

展示会場について

展示会場となった三軒家アパートメントは、空き家になった風呂なし・トイレ共同のアパートを改装した建物で、かつてアパートの居室だった空間を、ギャラリーのほかカフェ、古書店、アトリエ、卓球場などとして活用しています。

f:id:mariedesu:20170711103426j:plain

三軒家アパートメントの看板

 

f:id:mariedesu:20170711103505j:plain

三軒家アパートメントの入口。西棟・東棟の2棟あり、ギャラリーは西棟の2階にあります。

f:id:mariedesu:20170711101440j:plain

展示風景。パネルに写真と、写真に関するコメントを貼っています。

  

また、ギャラリーでの展示のほかに、尾道市内のカフェ3軒にも写真とコメントを収めたアルバムを用意して、カフェを訪れた人が手に取って見れるようにしてもらいました。

f:id:mariedesu:20170711102715j:plain

アルバムの中の1ページ。

f:id:mariedesu:20170711102750j:plain

ピンボケですが、上の写真のように1枚1枚の写真にコメントを書いています。上の写真はトランプ大統領の就任式直後に全米や世界の各地で行われたWomen's Marchという抗議行動のシンボルになった、Pussyhatというピンクの猫耳ニット帽をかぶった女性がサインに使用されています。このように、特定の分野に興味を持っている人であれば何を指しているかひと目でわかるものでも、それ以外の人にはよくわからないサインもたまにあるので、そういった写真にはコメントで解説しています。解説がいらない写真も多く、そういった写真にはくだらないコメントを書いている場合もあります。

 

アルバムを設置してもらったのは、香味喫茶ハライソ珈琲さん、チャイサロンドラゴンさん、そしてゲストハウスみはらし亭の併設カフェの3店舗です。

どのアルバムも中身が違っていて、ギャラリーに展示している140枚と、アルバムに貼った120枚の合計260枚を展示しました。

 

オープニングイベントについて

会期初日の6/24に、アルバムも設置してもらった香味喫茶ハライソ珈琲さんにてトークイベントを開催しました。また、自分たちが会いたいからという理由で福岡から山下陽光くんをゲストとして呼びました。

トーク内容は二部構成で、最初に夫がトイレのサインを集めていて面白いことについて話し、後半は私がトイレのサインに記号として表現されている男性らしさ・女性らしさの話や、トランスジェンダーの人権とトイレ使用に関する話をしました。

実は、こうした話をすることには戸惑いがあり、イベントの前日まで自分が話すのはやめておこうと思っていました。というのも、まじめな話になりすぎるので、イベント自体にどれだけの人数が参加してくれるのかもわからない中で、自分の話に興味を持って聞いてくれる人はいないのではないかと思っていたからです。弱気......。

イベント前日、ハライソにお邪魔して店主の吉崎さんと簡単な打ち合わせをしている中で「ジェンダーの話はちょっと今回は辞めておこうかな」みたいなことを言っていたのですが、吉崎さんが最近その分野に興味があると言って、フェミニズムジェンダーセクシュアリティをテーマにしたZINEを発行しているまりなさんを紹介してくださって、2人に関心を示していただいたので「興味を持ってくれる人が2人いるから、この2人に向けて話すつもりでトークしよう」と決心したのでした。

イベント当日には、陽光くんのおかげもあって予想以上にたくさんの方に来ていただきました。来場者の皆さんには自分たちがトークしている間でも、質問があればいつでも発言してくださいとお願いし、一方的に話すのではなくグループで対話するように進行できたのがとても良かったです。

陽光くんとは、すごく久しぶりに会って、なんだか話したいことがいっぱいあるのに全然話せなくて、イベント終了後や東京に戻ってきてから「あれについて話したかったなー」と思うことをポロポロ思いついたりして、なんか多分対面で話すのがちょっと照れくさかったのかもしれません。福岡から長距離運転で尾道まで来てもらって本当にありがたかったです。 

 

展示風景やイベントの時にどんな話をしたかについてなど、夫のブログにも詳しく書いてありますので、ぜひご覧ください。

www.chimana.co

また、陽光くんの「バイトやめる学校」の本が出ました。私も買いましてもうすぐ届く予定ですが皆さんもぜひ買ってください!

tochuyame.thebase.in