もうタイトルで言いたいことをすべて言ってしまっていますが、バンクーバー市の犯罪発生率を計算してみたら東京都の9倍近くありました。
先週末、家の近くで発砲事件があり「やっぱりカナダとはいっても北米だからこういうこともあるんだなー、こわいこわい」と思っていました。しかし、思い込みだけで安全だ危険だと語るのは良くないと考え、公開されているデータをもとに犯罪発生件数と人口1,000人あたりの発生率を計算し、ついでに東京都と比較してみました。
結果
東京都 | バンクーバー市 | |
---|---|---|
犯罪発生件数 | 134,438 | 51,241 |
人口 | 13,735,582 | 631,486 |
犯罪発生率*1 |
9.79 |
81.14 |
計算方法
とてもシンプルな計算ですが、まずはインターネット上に公開されている情報から、1年間に発生した犯罪件数を確認しました。バンクーバー市、東京都ともに、まだ1月ということで2017年の年間データが公開されていなかったため、2016年の年間データを使っています。
次に人口ですが、東京都の場合は都のサイトに掲載されていた人口を使っています。バンクーバー市の場合、市のサイトに掲載されていた人口が2011年のデータと少し古かったので、2016年に行われた国勢調査のデータを参照しました。
そこから、年間の犯罪発生件数/人口*1,000で、1,000人あたりの犯罪発生率を算出しています。計算方法が間違っている場合はツッコミいただけると嬉しいです。
すべてインターネット上で公開されている情報であり、参照元のリンクは以下のとおりです。ちなみに東京都のデータには大島や小笠原諸島などの島しょ部も含まれています。
参照元
バンクーバー市の犯罪件数(2016年の年間データを参照)
Statistical Reports by District & City Totals | Vancouver Police Department
バンクーバー市の人口
2016 Census of Population – Data products
東京都の犯罪件数(バンクーバー市同様、2016年の年間データを参照)
東京都の人口
結論
単純に計算した結果から考えると、バンクーバーは東京よりもずっと犯罪発生率が高く、危険です。
バンクーバー市はひとつの市ですが、東京都は23区・26市・5町・8村から構成されているので、自治体としての分類が違うために、バンクーバー市と東京都を比較すること自体が少し変かもしれません。また、犯罪発生件数に数えられている犯罪の中には殺人、強盗、放火などのほか、賭博や売春などさまざまな犯罪が含まれています。双方の法律に違いがあるので、たとえば東京では犯罪にあたるがバンクーバーでは犯罪とは見なされないということもあるでしょう。なので、単純にこの計算結果のみで判断することはできないと思いますが、バンクーバーが安全な場所なのかどうかを判断する材料のひとつにはなるのではないかと思います。
追記
バンクーバー市内でも犯罪発生率の高いところと低いところがあるんじゃないですか、というコメントをもらいました。バンクーバー市警察が公表している情報では、市内を4つに分けた地区別の犯罪件数が確認できますが、地区ごとの人口がすぐにわからない状態だったというか、探すのが面倒だったので、地区別の犯罪発生率は計算していません。
犯罪件数のみのデータになりますが、市警察がCrime Heat Mapという地図を公開していて、不法侵入や車上荒らしの多いエリアが確認できます。1週間ごとの情報のみで年間をまとめたものはないみたいですが、過去にさかのぼって見ていくと犯罪件数の多いエリアがわかるかと思います。
Crime Heat Maps - Vancouver Police Department
また、GeoDASH Crime Mapというインタラクティブな地図もあり、期間や地域、犯罪の種類を指定して過去にどのエリアでどんな犯罪があったか確認できるようになっています。また、交通監視カメラが撮影した画像(静止画のみ、撮影は1日1回と思われる)も確認できます。
この地図で2017年1月1日~12月31日の殺人件数を調べたら17件ありました。具体的な住所は明かされていませんが、どのストリートのどの辺なのか、比較的細かいエリアまでわかってしまいます。結果を見ながら、「あれ、これって大島てるみたいじゃない?」と思ってしまいました(主旨はまったく違いますけど)。
こういった情報から治安の悪いエリアが確認できるようになっていますので、興味がある方はぜひ試してみてください。