フルマラソンに向けて - 部活のトレーニング内容

フルマラソンに初めて挑戦するにあたって、1人でトレーニングするのは難しいかもしれないと考えて、トレーニンググループ(通称「部活」)に参加しています。今回はその部活で行っているトレーニングの内容とスケジュールについてです。

 

曜日によってトレーニングの内容と走る距離が決められています。週に3回はグループで走り、2回は1人で走ることになっていて、具体的な内容は下の表のとおりです。

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ラソンに向けてのトレーニン

ラソンのトレーニングで一番重要なのはLSD

日曜日の「LSD」というのはLong Slow Distanceの略で、「Long=長時間」、「Slow=ゆっくり」、「Distance=長距離」走るトレーニングです。走るペースは、レースで走るペースよりも、1Kmあたり2分ほど遅いペースを目標にするよう指導されています。また、長い距離を走れるように心拍数を抑える必要があるため、10分走る⇒1分歩くを繰り返しています。距離の欄に13~32Kmとありますが、これは週によって変わります。1月頭のトレーニング開始時は13Kmで、毎週または2週間ごとに少しずつ距離を伸ばすプログラムになっています。このLSDが部活の中でも最も重要なトレーニングであり、日曜日はできる限り参加するように言われています。

部活で走る大きなメリットの1つは走るペースやコースを自分で意識しなくて済むという点です。マラソンの完走目標タイム別に部員がグループ分けされていて、各グループに「ペースリーダー」が配置されています。ペースリーダーが適切なペースでその週走るべき距離に応じて決められたコースを走り、かつ走るタイミングや歩くタイミングを教えてくれるので部員は何も考えずについていくだけでOKです。1人でランニングをしていると一定のペースを維持して走るのが難しく、走りたい距離に合わせてどのコースを走ればよいか考えるのが面倒くさくなる時もあります。そこを全部ペースリーダーにお任せできるのは本当に楽です。

ちなみに完走目標タイム別のグループは6Km走のタイムトライアルを行って、そのペースに応じて決められました。一番速いグループは「3時間45分以内」で、私は一番遅い「4時間半」のグループにいます。が、過去のハーフマラソンのタイムから考えると4時間半は厳しいので、個人的には4時間45分以内を目標としています。

火曜日はテンポ走、座学もある

火曜日はテンポ走で6Km走ります。テンポ走はLSDと比べるとかなり速いペースです。具体的なペースの決め方については別途詳しく書きますが、このテンポ走もLSDと同じペースグループに分かれてグループ別に走っています。そのため、ペースはペースリーダーが管理してくれます。

そしてテンポ走の前に、毎回コーチやゲストスピーカーによる座学の時間があります。これまでに学んだことは、ランニングシューズの選び方、適切な栄養補給方法、速筋・遅筋と乳酸の関係、適切な目標の設定方法です。

どんなスポーツでもトレーニングを行う際にはきちんとした理論を学ぶ必要があると思いますが、マラソンを走りたいという人は特に理論に裏付けされたトレーニングを実施したいとか、マラソンに関する知識を得たいという頭でっかちというかオタク気質な人が多いような気がします*1(気のせいかもしれませんが)。自分は間違いなくそういうタイプなので、この座学の時間が一番楽しいです。

Drillの日は強化練習

水曜日のDrillは強化練習。心肺機能や速度を上げるためのきついトレーニングを行います。具体的には坂道トレーニングやファートレック走*2など。

今週は軽いウォームアップのあとで「階段を全速力で駆け上がり、一番上まで登ったら歩いて降りてくる」のを20分間ノンストップで繰り返すというトレーニングを行いました。言葉で説明するのは簡単ですが、これがもうめちゃめちゃキツくて......。トレーニング後、膝が笑っているのを久しぶりに感じました。コーチ曰く「坂道トレーニングは毎週過酷になっていくので覚悟するように」とのこと、マジで部活です。中高生の頃にまともに部活動に取り組んだ経験がないので新鮮な感覚です。

自主練は体調に合わせて

木曜と土曜は自主練で、ペースグループごとに決められたステディ走のペースを目安として8~10Km程度走ることになっています。自主練については完全に個人に任されていて、筋肉痛が酷いとか、痛いところがあるという場合には距離を短くしても休んでも問題ありません。怪我をしないことが重要なので、自分の体の声に耳を傾けるようにと指導されています。

バンクーバーは雨が多い土地なので、雨が降ってるから今日は辞めよう、とか、ジムで走る、とか言ってたらマラソンに向けたトレーニングはできません。そんなわけで、グループで走る日は雪でも雨でも(もちろん安全性を確認したうえで)走っていますが、自主練の日はトレッドミルで走ってもOKです。

また、土曜日はランニングではなく、別の運動を行ってもいいことになっています。今は冬なので友達とスキーやスノーボードスノーシューに行ってもいいし、サイクリングでもいいそうです。ただし、ヨガは心拍数が上がらないからマラソンのトレーニングにはならないので、ヨガをやるなら休みの日か、ある程度運動した後にしてくださいとのこと。

休みもトレーニングのうち

LSDの翌日である月曜日と、3日間連続で走った後の金曜日は休みです。この休みは疲れを取り、トレーニングで消費された体内のグリコーゲンを取り戻す目的があります。怪我をせず、健康にレース当日を迎えるためには休養も欠かせないものであり、この休みもトレーニングに欠かせないものです。「この曜日は休み」と決めておくことで休みを意識できるので、1人でレースに向けてトレーニングをする場合でも休みの曜日を決めておくと良いかもしれません。

なお部員の中には運動が大好きで休みたくないという人もいるようで「休みの日に上半身の筋トレならしてもいいのか?」などとコーチに質問していましたが、私は週5で走るのだけで大変なので休みの日がとてもありがたいです。

週5で走らなくても完走はできる

ラソン経験者から見たら、この部活はトレーニング量が多いと思う人もいるかもしれないし、足りないと思う人もいるかもしれません。完走を目指すだけなら週5回ではなく週3回とか4回でも十分だと思います。

また、フルマラソンは42.195Kmなのに、練習では1度もフルマラソンの距離を走る機会がありません。これは、実際のレース直前に42.195Km走ってしまうとレース当日までに完全にリカバリーできない可能性があるためだそうです。

フルマラソンに慣れている人であればレース前に42.195Km走っても問題ないかもしれませんが、この部活は初めてフルマラソンに挑戦する人でも完走できるよう設計されているプログラムのため、走る距離を抑えているのでしょう(おそらく)。

LSDでは1Kmあたりのペースが実際のレースペースよりも2分/Km遅いため、32Km走ると当日のレースで42.195Km走るのと同じくらいの時間を走り続けることになるらしいです。

事前に32Kmまでしか走っていない状態でレース本番にいきなりトレーニングよりも速いペースで42.195Km走れるんでしょうか。それは実際に走ってみないとわかりません。数々のマラソンウルトラマラソンを走ってきて、何人もトーレニングしてきたコーチが大丈夫だと言っているので、その言葉を信じています。部活のスケジュールを乗り切って、「自分は十分にトレーニングを積んだので大丈夫だ」という気持ちで、怪我なくレース当日を迎えて、楽しくレースを完走したいです。

 

 

*1:余談ですが翻訳者にはマラソンや登山が好きな人が多いです。

*2:これについても、別途書きます。